2024年12月2日配信
横田 孝宜
デジタルマネージ・ウィズエー株式会社 代表取締役
上越妙高駅を位置情報でDX化する
(所属や役職は配信当時の情報となります)
2新潟県上越市を拠点に2018年に設立されたデジタルマネージ・ウィズエー株式会社。
立ち上げのきっかけとなったのは、上越妙高駅に北陸新幹線の駅が新設されたことだといいます。
乗降者数が急増する中、Wi-Fiの位置情報データを活用した分析によって
地域課題を解決、街を活性化したいという想いから企業に至ったといいます。
今後は蓄積されたデータを活用した事業展開を視野にいれています。
LBMA Japan加盟企業との協業によって地域、ひいては日本を盛り上げていきたい!そんな想いを伺いました。
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新幹線駅の新設。上越妙高駅周辺の活性化にフリーWi-Fiのログデータを活用
2018年に設立されたデジタルマネージ・ウィズエー株式会社。
新潟県上越市に拠点を置き、地域の発展を情報活用と仕組みづくりで支えることをテーマにした事業を展開しています。
企業のきっかけとなったのは、10年前に上越妙高駅に北陸新幹線の駅が新設されたことです。
これまでは特急も止まらないローカル駅として、一日140人の乗車しかなかった駅に新幹線駅ができたことで、
一日に2000人~3000人の乗降者数に。さらには特急も止まる駅となったことで周辺地域には大きな変化があったといいます。
一方、商業施設やインフラ整備が進む一方で、施設によっては集客にばらつきが見られることが課題でした。
こうしたばらつきをデジタルで可視化できないか、そこで着目したのがフリーWi-Fiのログデータの存在です。
横田氏が現在も兼務をしている、株式会社北信越地域資源研究所では
地域の商業施設向けに提供されているフリーWi-Fiサービスの管理を請け負っていました。
このログデータを活用することで、訪問者数やその傾向を把握し、その技術を地域全体に広げるために独立。
デジタルマネージ・ウィズエーをスタートしたといいます。
現在の事業はコロナ禍からの復調が始まった時期にスタートしました。
その間、人々の往来データを収集し続けていますが、地域全体の人流が着実に回復している兆しを捉えており、
地域社会が新たなフェーズに入ったことを実感しているといいます。
ただし、上越妙高駅周辺の地域発展はまだ半分ほどだといいます。
上越妙高エリアは、スキーリゾートとして知られる妙高エリアに近接しています。
一方で、上越妙高駅から妙高高原エリアまでの距離は約30キロあり、地理的・観光的に隣接しているとはいえず、
観光客の動向にも課題があります。
従来は関西地方からの観光客が多かった地域ですが、
現在では首都圏から長野駅を経由して妙高高原に直接訪れる観光客が増え、上越妙高エリアを通過するケースが少なくありません。
さらに、冬季には妙高エリアでオーストラリアなどからのインバウンド需要が高まる一方で、
上越妙高駅周辺ではその影響が限定的であることも課題となっているといいます。
こうした人の流れの課題も、データを活用することで改善の余地があるといいます。
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新潟から全国へ 地方都市、日本を盛り上げるために目指す協業
上越妙高エリアには首都圏などの大都会ではない地方都市だからこそ、新しい街づくりをゼロから構築できる余地があるといいます。
都市部に比べ、地方自治体や企業によるデジタル施策の取り組みはまだ少なく、その点が課題として認識されています。
だからこそ、デジタルマネージ・ウィズエーのようなスタートアップ企業のアイデアが活かされる場面も多く、
可能性を感じる一方で、今後は具体的な導入や予算化にむけてさらなる努力が必要だといいます。
こうした課題を乗り越えるため、同社は実績の積み上げに注力しています。
たとえば、地元の上越市や近隣の湯沢町など自治体へのアプローチや、
自動車メーカーのダイハツ工業とも協力し、Wi-Fiセンサーを用いた実証実験を実施しています。
これらの取り組みにより、駅や商業施設の人流データを解析し、売上や来訪者数との相関関係を示すことで
デジタル施策の有効性を可視化しています。
例えば「駅の状態を2年間モニタリングすることで利用者の増加を明確に把握できるようになる」といったデータの具体例が、
クライアントの意思決定を後押しする材料となりつつあります。
同社はこれらの実績を基盤に、来年以降さらに事業の加速を目指しているとのことです。
また、新潟県においても勢いのある県出身企業を生み出すことは、重要な課題になっているといいます。
こうした中、デジタルマネージ・ウィズエーは新潟県を拠点とする他のスタートアップとも連携を模索しています。
また、地元自治体や企業との協力を通じて、地域経済の活性化に向けた取り組みを進めています。
そしてその先には、全国への展開も視野にいれているといいます。
今後はLBMA Japan加盟社をはじめ、協業できるパートナー企業とサービスなどを補完し合うことで
新潟県内外の自治体や企業との連携を強化し、自社の技術やサービスを活用してもらう機会を増やし、
地域を、ひいては日本を盛り上げていく。デジタルマネージ・ウィズエーの挑戦は続きます。
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