2023年4月22日配信
市川史祥
(株)技研商事インターナショナル 執行役員
47年の歴史と遍歴 位置情報データがもたらした変革
(所属や役職は配信当時の情報となります)
47年の歴史をもつ技研商事インターナショナル。
地図情報システム(GIS)に於いて、この半世紀の中でどんなことが変わってきたのか。
何が普遍であったのか。成功事例・失敗事例なども赤裸々に語って頂きます。
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変わる「データの利活用」。今、注目される「オルタナティブデータ」とは
技研商事インターナショナルは、商権分析やエリアマーケティングを専門とする企業です。
例えば、店舗やチェーンの展開を支援する際には、出店候補地の周辺データを詳細に分析。こうした分析には、位置情報データの活用が欠かせないものとなっています。
そして、古くから位置情報を扱う企業として啓蒙活動も行っています。商権分析やエリアマーケティングの重要性を広く伝えるエヴァンジェリストとして、セミナーや記事、コンテンツを積極的に提供。
コロナ禍で位置情報データの有益性が注目され、様々な需要が生まれる中、今後は様々なデータを組み合わせより深い分析と課題解決に取り組むことがますます重要になっていきます。こうした中、技研商事インターナショナルはデジタルデータと位置情報データを活用して、新たな課題に取り組む先駆けとなっています。
様々なデータの中で、今注目を集めているのが「オルタナティブデータ」です。
多くの企業がマーケティングに活用しはじめている「オルタナティブデータ」には位置情報も含まれますが、他にも衛星写真から工場の授業員用の車の数の変化を計るなどの方法で、生産活動の活発さを推測する・・・などのデータも含まれていて、こうしたデータは株価の予測にも利用されています。また、クレジットカードの決済情報などのデータからは、個人情報は保護した上で、地域の購買傾向や店舗での販売品目などを把握することができ、マーケティングや経済予測に革新をもたらしています。
さらに、注目すべきデータは企業の顧客データ「ファーストパーティーデータ」と呼ばれるものです。
これに位置情報データなどを含めた、第三者が提供するデータを組み合わせることで、これまでになかった視点から分析を行うことができるようになり、こうした場に技研商事インターナショナルのソリューションが活用されています。
例えば、これまでは店舗に来店した客が「購入した」というデータはとれたものの、「来店したが、購入しなかった」というデータはとれませんでした。位置情報を組み合わせることで、こうしたデータをとることが可能に。このデータをもとに、店舗の仕組みを強化したり、来店から購買につなげている店舗を手本にしたり、より効果的に店舗改革を行うことができます。
今後は、腕時計などのウェアラブル端末などから取得できる、よりパーソナル情報と位置情報を組み合わせることができれば、様々な産業分野での活用が広がるのではと予想しています。
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様々な企業とコラボする技研商事インターナショナル。成功例と失敗例とは
地域情報システム(GIS: Geographic Information System)は、地理的なデータを分析・視覚化する技術です。
日本では約30年前から普及し始めましたもので、GISを用いたデータ分析には、位置情報が重要な役割を果たしています。
位置情報の提供方法も多岐にわたり、ユーザー企業が自ら分析ツールを利用して情報を活用することが一般的になっています。
技研商事インターナショナルでは、日本で初めてユーザー企業が自分で位置情報を分析できるシステムを提供。2005年と2016年には、それぞれ異なる企業とコラボレーションした分析システムの導入で、多くの成功を収めました。
さらに、コロナ禍では位置情報の重要性が一般にも認知され、ビジネス分野でも導入が進みました。
一方で、失敗の経験も。
インターネットが普及しだした1990年代に、技研商事インターナショナルでは地図に店舗情報や口コミなどを掲載するサービスを開始しましたが、当時はスマホもなく、こうしたサービスに時代が追いつかず普及に至りませんでした。
ほかにも、現在のGoogle Earthのような立体地図技術にも関与していたものの、技術提供企業との資本提携の機会を逃してしまった・・・など
「情報感度が良すぎた」ため「時代がついてこなかった」・・・という反省点もあります。
しかし、今後も新しいことに挑戦し続ける思いは変わらず、いずれはスタンダードになる技術を生み出すことを目指しています。
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