2023年5月14日配信
若谷 巧
(株) Agoop 取締役 兼 CRO
コロナ禍で『Agoop調べ』が起こした社会変容と、位置情報データ提供ビジネスモデルが作る未来
(所属や役職は配信当時の情報となります)
コロナ禍初期に『Agoop調べ』として、人流データをメディアに無償提供し続けたAgoop。
今ではすっかり『人流』という言葉が一般化したが、その社会変容を支えた心意気を語っていただきます。
「何となくなご要望」にデータサイエンティスト集団が応える、顧客向けカスタマイズデータソリューションとは。
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コロナ禍で話題となった『Agoop調べ』の人流データ 1万回を超える利用が
ソフトバンク株式会社の100%子会社Agoop。創業は2009年で、当初はソフトバンクの基地局の場所決めなどをするために、位置情報を利活用していました。
そこで培った知見をもとに、数年前からは「人の動き」が経済的な指標にどう影響するかを研究するサービスを提供しています。
Agoopの名が広く知られるようになったのはコロナ禍、メディアなどで「人出の増減」を測るデータ提供元として紹介されたことがきっかけでした。
2020年に予定されていた東京オリンピックに向けて、ソフトバンクは人流データの収集と分析を進めていました。その最中に、新型コロナウイルスの世界的流行が起きたことから方針を転換。人流データを活用してコロナ禍における人々の動きや感染リスクを把握するための取り組みを開始しました。
この取り組みには、国からの要請もあったということですが、ソフトバンクが持つAIやRPA(ロボティックプロセスオートメーション)の技術を活かすことで、素早く短期間でデータを提供することが実現できたといいます。
コロナ禍「Agoop調べ」として提供していた、メディア向けのデータ提供は「社会貢献」として無料で実施し、延べ利用回数は1万回を超えるほど反響がありました。
この無料提供による効果は非常に高く、顧客からの問い合わせや購入も増加し、売上は上昇したといいます。
現在はコロナ禍の収束に伴い、メディアでの露出が減少しているものの、業績は非常に伸びており、事業は引き続き成長しています。
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顧客の「なんとなく良いことをしたい」に応じる データサイエンティスト集団
Agoopではスマートフォンアプリから収集したGPSデータを加工し、AIによる需要予測や業務利用の基盤データなどデータに取り込めるよう、付加価値をつける形で提供しています。
当初はデータをCSV形式やサーバー連携で提供していましたが、これではデータサイエンティストが多く抱える企業でしか利用できなかったことから、一昨年ごろから誰でも簡単に使えるよう、UIの制作や可視化ツールとして提供することに取り組んでいます。
今後はAPIを利用したい方やツールでの可視化を求める方、新規出展の部門では取り込みやすい形式のデータを求める方など、多岐にわたる顧客のニーズに対応するため、それぞれの要件に適した形でデータを提供することを目指しています。
Agoopのデータの強みは、建物単位や、道路単位の通行量など細かな集計ができることと、顧客の要件に応じたカスタマイズが可能な点です。
顧客の持つデータとAgoopの持つデータ、さらには他のデータも組み合わせてスコアリングを行いその活用方法を提案することも行っています。
顧客のニーズに応えるため、データサイエンティストが多く在籍する会社として、その強みを活かしていきたいと考えています。
昨今注目されているAIやChatGPTについても、Agoopは積極的に取り組んできました。
Agoopの需要予測AIは多くのエンタープライズ企業で利用されており、金融や製造業など幅広い分野での利用が進んでいます。
今後もその活用範囲はさらに広がること予想されます。また、ChatGPTについても研究開発を進めているといいます。
企業からはデータの活用に興味があるものの、具体的な組み合わせ方がわからないという声も多く、多くの相談が「なんとなく良いことをしたい」といった漠然内容からはじまるといいます。しかし、そうした相談からでも最適なソリューションが提供できる地盤がAgoopには揃っているといいます。
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