第1回 LBMA Japan 位置情報アワード2023
一般社団法人LBMA Japanは、会員企業の実施した位置情報ビジネス・マーケティング・サービスを世に広めた、社会的なインパクトを与えた、など位置情報データを活用した取り組みの中でも特筆すべき取り組みを表彰し、市場成長・活性化につなげることを目的とし、またその栄誉を称えるため、LBMA Japan 位置情報アワードを開催いたしました。会員企業の自薦・他薦を含め応募された事例の中から、LBMA Japan理事会にて優秀賞5事例を選出し、会員投票を行った結果、2事例が最多得票(同数)にて『最優秀賞』に選出されましたので、発表させて頂きます。
最優秀賞
最優秀賞:生体情報と位置情報を活用したオフィス空間評価システムGISTA
株式会社竹中工務店
【事例概要】
建物内のオフィスワーカーの位置情報と集中度などの生体情報を同時に計測し、分析・可視化することで、これまでにない定量的な手法でワークプレイスの生産性評価を可能にしたうえで、ワーカー個人へのフィードバックを行うアプリを合わせて、個人と組織双方の生産性向上に資するシステムとして、顧客へのサービス提供を開始しました。
【受賞者コメント】
この度は第1回の位置情報アワード最優秀賞という名誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。当社は、総合建設会社としてヒューマンスケールから都市スケールまで様々な領域で建設に携わってきました。昨今、働き方改革や生産性向上等への意識の高まりを受け、オフィスにおける空間の価値が着目されています。GISTAは、オフィスで働く執務者の生体情報と位置情報をリアルタイムにデータを統合・可視化することで、集中度・リラックス度等と空間を紐づけ、オフィス空間の評価を可能としました。今後はこのサービスを活用し、お客様と一緒に人的資本経営の課題解決に向けて建築的なソリューションをご提案していきたいと考えています。サービスのご要望やお問い合わせ、またパートナーとして共創の機会がございましたら、是非お気軽にご相談いただければと思います。
最優秀賞:KDDI Location Analyzer(訪日外国人版)Powered by NAVITIME
株式会社ナビタイムジャパン・技研商事インターナショナル株式会社・KDDI株式会社
【事例概要】
「KDDI Location Analyzer」はGPS位置情報(au スマートフォンユーザのうち,個別同意を得たユーザが対象、かつ個人を特定できない処理を行って集計された情報)を搭載した国内人流分析ツールです。KDDI株式会社と技研商事インターナショナル株式会社の共同開発・共同提供サービスとして2019年6月よりスタートし、今回2023年10月から株式会社ナビタイムジャパンの訪日外国人データを搭載し、「KDDI Location Analyzer(訪日外国人版)Powered by NAVITIME」として提供開始されました。国内人流とインバウンド人流をひとつのプラットフォームで全国どこでも何度でも分析できる国内初のクラウドサービスです。
任意に指定するエリアや施設単位で、国籍別/曜日別/時間帯別/訪日回数別/滞在期間別の訪日外国人の人流や分布を可視化することが可能です。
【受賞者コメント】
■KDDI株式会社
この度は最優秀賞という輝かしい賞に選出いただき、ありがとうございます。今回3社による共創によって、多くの企業様・自治体様が人流データを活用し自社や地域の課題解決、ひいては観光需要の復活や地域経済活性化に少しでも貢献できましたら幸甚でございます。今後もより良いサービスを創り出すべく精進していきます。今後とも宜しくお願いいたします。
■株式会社ナビタイムジャパン
この度は、最優秀賞という輝かしい賞を頂戴し、誠に光栄に存じます。弊社のインバウンドGPSデータをKLAに搭載頂いたことで、より分析にご活用頂きやすくなりました。データに基づく人流の把握や適切な施策遂行に、お役立て頂けましたら幸いです。今後も皆様のお力添えを頂き、これまで以上に精進して参りますので、よろしくお願い申し上げます。
■技研商事インターナショナル株式会社
優秀賞からの最優秀賞。非常に光栄です。2023年年明けからニーズが高まっていたインバウンドマーケティングニーズに応えることができたのかと自負しています。LBMAジャパンが掲げる企業同士の「共創」というコンセプトが形として表せたという面も意義深く感じています。本サービスの今後の進化にもご注目・ご期待をいただければ幸いです。ありがとうございました。
優秀賞
デジタル観光統計オープンデータ化で進むデバイスロケーションデータ社会実装
株式会社ブログウォッチャー
【事例概要】
デジタル観光統計オープンデータ化で進むデバイスロケーションデータ社会実装
株式会社ブログウォッチャー
観光庁をオブザーバーに迎えた検討委員会を経て、人流データを活用した調査手法における観光地点と観光客の定義を標準化し、日本観光振興協会よりオープンデータ提供を開始しました。
7割超の都道府県の協力を得て、全国10万箇所の網羅的かつ最新の観光地点情報をもとに、全国1741市区町村(2023年11月時点)観光来訪者数の週次提供を実現するとともに、訪日対応や旅行者向けサービスへの拡張性を備えた仕様で、デバイスロケーションデータの社会基盤化を推進しました。
【事例概要】
2023年4月からパナソニックの街演出クラウドYOI-en(照明演出/ライトアップ事業)とナイトレイCITY INSIGHT(人流データ分析)がコラボレーションを開始。 位置情報を中心に、大企業とベンチャー企業の全く異なる2つのソリューションが連携することで、 街の賑わい創出や地域経済の活性化、まちづくりの高度化に貢献することができる最先端の取組として新たな価値を創出している。
株式会社unerry
【事例概要】
東京都は「東京都スマートサービス実装促進プロジェクト」において、都内全域をフィールドにスマートサービス(※1)のスピーディな実装を目指しています。その中でunerryは、人流データ(位置情報ビッグデータ)を活用した「エリアの課題・ニーズの定量化」と「メディア活用による行動変容・価値創出」をベースとし、さまざまなスマートサービス提供会社と連携することで、都内各地へのスマートサービス実装を促進しています。これらの取り組みを通じ、位置情報データの社会課題解決への活用を大きく前進させています。
例1:公共交通でカバーしきれない移動ニーズを位置情報データから明らかにし、シェアリングモビリティのポート設置場所をより利用ニーズが高い場所にすることで、赤字になりがちな2次交通ネットワークを社会実装に導く。
例2:ビーコンを搭載したサイネージ事業者と連携し、街中一円のサイネージを、地域メディアとして活用し、街中回遊と賑わいを促進するとともに、回遊状況を計測して改善を図る。
※1:デジタル等の力を活用した都民のQOL向上に資するサービス
位置情報データ活用は、ビジネスモデルの多様化、生成AI・ロケーションAIの進化などにより、
日々発展を遂げています。
2024年もより多くの事例を実現すべく、業界一同邁進してまいります。