第2回 LBMA Japan 位置情報アワード2024
最終ノミネート事例発表
一般社団法人LBMA Japanは、会員企業が実施した位置情報データを活用した取り組みの中から
「位置情報ビジネス・マーケティング・サービス世に広めた」「社会的なインパクトを与えた」など
特筆すべき取り組み表彰し、市場成長・活性化につなげることを目的とし、またその栄誉を称えるため
『第2回 位置情報アワード2024』を開催しております。
会員企業の自薦・他薦を含め応募された企画の中から、
LBMA Japan理事会にて優秀賞5事例、および特別賞1例を選出いたしましたので発表いたします。
また、加盟企業間投票により5事例の中から『最優秀賞』を12月13日までに選出・発表させて頂く予定です。
最終ノミネート(優秀賞)5事例
候補1:空間認知を解決し、聴覚での自立移動を促すバリアフリー技術
【事例概要】
外出を支援する「音声ナビガイド」。
人の個性や場所の個性を生かせるよう、提供主が誰か?と分かる直接の音声が本人の証明に繋がる。
本当は付き添いたいが、付き添えない自らの存在を音声としてバーチャル化できる。立ち位置から見える景色を、その場にいない相手に話しかけるようにつぶやくと、声は位置情報と連動し、届けたいその相手が外出の際に自らが寄り添う位置情報と連動した声掛け支援となるため、信頼と共感に繋がる。
主に動植物園などのレジャー施設などで活用され、施設スタッフの想いが届けやすく、利用者はその場所のおもてなしを感じながら、知識・経験が旬な情報としてSNS感覚で配信できるサービスとなる。画面を見ずに移動できる聴覚支援であるため、利用者は移動を楽しみつつ、周りに配慮しながら移動できるため、安全な外出ができる。周りが見えると、地域性を感じて移動ができ、バリアフリー、インバウンド、災害など拡張性が高く利用が可能である。
ビジネスに限らず、登山やスポーツ等一般個人のライフスタイルで自由な活用ができる。簡易的なGPS精度は、超高齢化社会で求められる人々の自立のための、自らが判断する余地を残す技術となる。
候補2:OOH広告の効果測定ソリューション
【事例概要】
ジオテクノロジーズは、「地図データ」「人流データ」「定量調査(意識・価値観)データ」という3つのアセットを保有しており、それらを用いてデジタル広告のようなOOH広告体験を実現しています。
特に、短い取得間隔のGPSデータを活用し、広告接触判定を行う技術は特許を取得しており、これによりOOHオーディエンス測定のグローバルガイドラインで規定されている「VAC」指標まで屋外広告においては測定可能です。
その他、鉄道の地上路線はもちろん、地下鉄の乗車判定や自動車移動の方向判定も精度高く行うことができます。これらにより、広告接触者を正確に特定し、さらにその対象に対する定量調査を実施することで、消費者の行動・意識データまで含めた効果測定を実現しています。
さらに、この効果測定を“広告出稿期間中”に行うことで、デジタル広告さながらの「運用型OOH広告」を実現しました。
より消費者の行動につながるクリエイティブに切り替える、より効果の高い広告媒体に配信を強めるといったデジタル広告の当たり前をOOH広告でも当たり前にしていくために、ジオテクノロジーズ独自の効果測定ソリューションを開発いたしました。
候補3:MarketAnalyzer® Traffic
【事例概要】
技研商事インターナショナルの導入実績2,000社以上のGIS「MarketAnalyzer® 5」にAgoopの道路単位の通行量データや125mメッシュ単位の滞在データを搭載。
ユーザー保有の自社データや、公的統計データ、様々なオルタナティブデータと位置情報を重ね合わせて高度な分析が可能となりました。
本ソリューションは、行政関連では、渋滞の緩和、安全性の向上などの持続可能な交通政策の計画や、災害時の避難計画、地域経済への影響分析に資するサービスです。 企業のマーケティング分野では、店舗の立地調査、ターゲット顧客層の分析、各種プロモーション施策の効果測定、物流とサプライチェーンの最適化での活用が想定されます。 このように広く社会課題の解決に貢献するものです。
候補4:桃鉄WALKING@イオンモール茨木
株式会社コナミデジタルエンタテインメント / 川崎重工業株式会社
【事例概要】
川崎重工は、イオン株式会社が2024年7月12日からイオンモール茨木のリニューアルイベント向けに配信された「桃鉄ウォーキング@イオンモール茨木」(株式会社コナミデジタルエンタテインメントによって企画・開発されたゲームアプリ)(以下、本アプリ)に、屋内位置情報サービスmapxus Driven by Kawasaki™を提供しました。
※アプリのダウンロード期間は終了いたしました。
mapxus Driven by Kawasaki™は、Wi-Fi電波環境を活用した屋内での位置情報とGPSなどで取得する屋外の位置情報と地図情報を併せて屋内外空間でシームレスな位置情報を提供するサービスです。
本件は、屋内施設を舞台とするゲームアプリにおいて、初めての適用事例となります。本アプリでは、iPhoneもしくは Android スマートフォン上で、屋内空間を含むゲームステージ内での現在地情報の表示や、施設情報と連携した商品/サービス情報表示により、プレーヤーおよび利用者の体験をサポートすることでリアルワールドとリンクした新しい体験を実現しました。
候補5:Japan Location Alliance:ブログウォッチャー ✕ unerryの業務提携
【事例概要】
2024年7月、unerryとブログウォッチャーは業務提携締結を公表しました。
ともに位置情報ビッグデータプラットフォームを保有し、ほぼリアルタイムのデータを活用した分析・ダッシュボードの提供や広告等のマーケティングサービスを提供しており、いち早くLPマーク(※1)を取得する等、データの特性や、データ取得・活用の安全性において共通点のある2社の連携で、国内1.4億MAU(※2)の高密度位置情報データ活用が可能となります。
マーケティング領域のデータ活用先進国とされる米国と比べても、日本は人口密度が高くビルイン店舗等も多いことから解析が複雑であり、位置情報技術はグローバルを牽引するレベルが求められています。両社は、ユーザーの許諾と法律の範囲で相互のデータを連携する仕組みや、共同技術開発、サービス提供等に取り組み、サービスやデータの活用用途をグローバル水準で高めてまいります。
また、この提携は長期的な日本の位置情報データ活用拡大を念頭に、多くの企業が活用しやすいデータやテクノロジーのラインナップを揃えてまいります。そして、本取り組みに共感いただける企業様との協業による一層のマーケット拡大も見据えています。
※1 LPマーク:ロケーションプライバシーマーク。ロケーションデータについてプライバシーに配慮した適切なガバナンスを行っていることの認定。
※2 MAU : 月間アクティブユーザー数。2024年6月の2社の位置情報ビッグデータから明確なユーザー重複は排除し算出。
■特別賞(選考対象外):Location GXガイドライン
一般社団法人LBMA Japan/一般社団法人サステナブル経営推進機構
【事例概要】
加盟企業各社の「共創」により、脱炭素という社会課題に対して位置情報データを活用したビジネスモデル作成の第1歩として任意各社がディスカッションを行い、2024年5月にガイドラインの発行に至りました。本ガイドラインでは、位置情報データから導き出される炭素排出量の平準化、およびポイント化の概念を整理しており、今後の脱炭素行動推進およびビジネス化の指標となる枠組みの作成を推進しています。