2024年9月9日配信
山中 享
LOOVIC株式会社 代表取締役
人がそばにいるような移動支援バーチャルサービス
(所属や役職は配信当時の情報となります)
2021年にスタートしたLOOVIC株式会社は、「移動」に課題を持つ人たちを支援するサービスを開発しています。
スマートフォンアプリ「LOOVIC」は、スマホのGPSと連動したナビゲーションサービスですが
ユーザーが自ら案内を作成できる機能があり、その場所その場所に応じた、注意喚起などが収録できます。
こうした機能は高齢者や空間認知に課題を持つ子どもの外出を支えるだけでなく、レジャー施設での音声案内などにも活用されています。
ゆくゆくは蓄積された音声データが、様々な人たちの「外出」を支援する未来を目指しています。
2050年には3分の1が高齢者になるといわれる日本。
そうした社会で必要とされる技術の開発について、お話しいただきました。
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スマホアプリ「LOOVIC」で寄り添う音声案内を。誰もが安心・安全に移動できる社会をめざす
LOOVIC株式会社では、人がそばにいるような移動支援技術をバーチャルで提供するといった
次世代の移動支援サービスを開発しています。
目指す先は、従来人が付き添わなければならなかった移動支援をデジタル化し、支援を必要とする方々が自立して外出できるようにすること。
開発のきっかけは、山中氏自身の子どもが空間認知に課題を抱えていたことだったといいます。
スマートフォンアプリ「LOOVIC」では、あたかも誰かがそばで声をかけているような移動支援サービスを提供しています。
例えば高齢者が外出する際に、付き添いの人が「ここは段差があるから気をつけて」といったアドバイスをすることがあると思います。
「LOOVIC」ではそうした状況を「無人」でも作り出すことができるといいます。
例えば危険個所についての注意喚起を事前に録音し、その場で再生されるように設定します。
高齢者のほかにも、視覚障がいのある方や、脳の萎縮や損傷によって空間認知が難しくなっている方、空間認知に課題のある子どもたち・・・
こうした移動に関わる支援が必要な人たちの安心・安全をサポートすることで、外出機会を増やしてもらうことを目指しています。
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観光分野でも活躍する「LOOVIC」 その先に目指す「誰もが安心して移動できる社会」とは
そしてこの技術は、移動支援にとどまらず観光やインバウンド向けのガイドシーンでも活用されています。
美術館や観光施設では、場所ごとに録音された情報が、必要なタイミングで案内される、いわば音声ガイドのような役割も果たしています。
このサービスを利用することで、ユーザーは地図やアプリを視覚的に確認することなく、周囲の景色や情報を見失わずに移動できます。
また、位置情報と連携することで、その場所でしか見られない光景など施設の個性を紹介することもできます。
LOOVICでは、情報提供者の「属性」もデータ化していくことで、
単なるデータではなく情報提供者の息遣いや、土地に根付いた文化や歴史、信頼に基づいたデータが、
プラットフォームとして発展していくことを目指しています。
現在の主なビジネスモデルは、発信者がユーザーにコンテンツを販売することだといいますが、
レジャー施設や行政に街づくりの提案にも参加しています。
その他にも、一般的にローンチされていないものの、様々な研究開発が行われているため、今後も新しいサービスが登場する予定です。
2050年には日本の3分の1が高齢者になり、うちの半分が認知症を抱える…というデータもあります。
こうした状況下で、サポートが必要な人の「自立」のDX化は、喫緊の課題です。
“高齢化先進国”を言われる日本でこのサービスが成功すれば、
後に続く海外でも同じ技術を活用し、世界中の移動シーンを変える可能性も秘めています。
誰もが安心・安全に移動できる社会。LOOVICの技術はがそんな未来を築く一翼を担うでしょう。
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